<第5回目>太陽礼拝を学んで、教えよう<ポーズ名を使わずに教えてみよう>
みなさん、こんにちは。
ヨガ講師育成トレーナー、
リブウェルインスティテュートのKenです。
前回は、
「ポーズ名を使った太陽礼拝の指導方法」
についてお伝えしました。
少し復習しましょう。
太陽礼拝をシンプルにガイドする勉強でした。
つまり次のようなもので一呼吸、一動作でシンプルに繋ぐというものです。
- タダアサナで立つ
- 吸って ウルドバハスタアーサナ
- 吐いて ウッターナアサナ
- 吸って アルダウッターナアサナ
- 吐いて プランクポーズ
- 吸って プランクポーズ
- 吐いて エイトポイント
- 吸って ブージャンガアサナ
- 吐いて アドムカシュヴァーナアサナ
- 3呼吸して休む
- 吸って アドムカシュヴァーナアサナ
- 吐いて ウッターナアサナ
- 吸って アルダウッターナアサナ
- 吐いて ウッターナアサナ
- 吸って ウルドバハスタアサナ
- 吐いて タダアサナ
座位はヴィンヤサシークエンスで繋ぎます。
呼吸は吐くことがメイン、吸う呼吸はサブ。動かない時は「吸う」呼吸で繋ぎます。
上記のように吸って前のポーズ名を連呼することで動かずに準備して、次のポーズで動く!という具合です。
優れた講師ほど無駄なガイドはしません。
まずは、呼吸とポーズ名だけでシンプルに指導することが大切だということを学びました。
さて、本日は、前回の真逆にチャレンジ!つまりポーズ名を一切使わずに太陽礼拝をガイドする方法についてお伝えしていきます。
それでは、さっそく
「太陽礼拝をポーズ名を使わずに教えてみよう」
第5回目の内容です。
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本日の内容
5-1. ポーズ名をあえて使わずに教える理由
5-2. 吸う呼吸 3つの秘密
5-3. 呼吸のコツ ウジャイ呼吸を自分も行うワケ
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【Step5-1】
ポーズ名をあえて使わずに教える理由
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前回は、太陽礼拝を呼吸とポーズ名だけでガイドしました。その理由は次のようなものです。
- 多くの生徒さんが太陽礼拝に慣れていて、余計なことを言わなくてもその流れがわかる
- 同様に、経験者がポーズ名だけ言えば見本的にやってくれるので、わからない生徒さんはそれを真似して行うことができる
ヨガ講師が行わなくてはならない必要最小限度の仕事は
- たとえ初心者の先生だったとしても、 曲がりなりにもクラスを最後までやり通す
- できるだけ簡単にクラス全体をリードしながら個別にミスアライメントの生徒さんを口と手でアジャスト、手直しする
です。そのためには、もっとも簡単な方法で間違えずに太陽礼拝をガイドする必要があります。
ここで大切なことを付け加えます!
それは
「間違えずに」
ということ。
これはピアノの発表会のようなものです。
いくら速く弾けても、または上手に弾けても、ミスタッチがあったり、最後まで弾けなくて途中で終わったりしては本末転倒ですよね。
ヨガの指導も同じです。いくらいろいろ説明を付け加えても
- 余計なことを言い過ぎて、呼吸のリズムが一定でない、早い
- ポーズ名を言い間違えてズッコケる
- 途中でやり直す、パニックになって途中でやめてしまう
これでも、呼吸に合わせて・気持ちよく体を動かして・呼吸と体を一体化させるという太陽礼拝の目的を完遂できません。
初心者の先生でよくあるミスは、とにかく知識をひけらかしたいのか、何だかんだと言い過ぎてミスが増える人です。
ピアノの演奏でもそうですが、ゆっくりでも良いので間違えないで弾く方が大切です。
ヨガも間違えずにガイドするマインドフルネス、繊細さが大切です。何回も「えっとー」と言ったり、やり直す、言い直すことがないように慎重に行いましょう。
特に呼吸の間違いは避けましょう。
吐くタイミングで間違って「吸って!」と言われることほど、いやなことはありませんから。
ついでにもう一つ、ワンポイントレッスン。
全くの初心者生徒さんを「先生の前におけば、丁寧に教えてもらえるだろう」と、クラスで前列の先生のマットの前に勧めるフロントスタッフや先生がいますが、これも間違いです。
そもそも先生は口でクラス全体をリードしながら、自分はマットから離れてスタジオ内を歩き回って個別に生徒さんのミスアライメントを直すことが仕事ですから、自分のマットにいません。そうなると、初心者の生徒さんは、先生がいないので何をやったら良いかもわからず、ただ慌てて後ろを振り向き、自分が上手にできないことを皆に見せつけ恥ずかしい思いをするだけです。
先ほどお伝えしたように、経験者の生徒さんにマットを前列に敷いてもらい、初心者さんはスタジオの後方に敷いてもらいましょう。初心者さんには先生は動き回るので前にいる経験者の方を見本にしながらポーズをとって下さいと伝えましょう。
少し長くなりましたが、最低限度のガイダンスでクラスをリードすことが、ガイドする自分にも余裕が生まれ、その分本来の生徒さんをアジャストするという本業に徹することができます。
まずは呼吸とポーズ名だけのシンプルな指導を心掛けましょう!
さて、本日の本題です。
本日は「ポーズ名でガイドせずに指導する方法」を学びます。
では、なぜポーズ名を使わずに指導する必要があるのでしょうか。
2つのケースが答えとして考えらます。
- 参加している生徒さんが全て初心者でポーズ名がわからない
- ポーズ名に頼らずに手足の位置を細かく言うことで正しいアライメントに基づいて体を動かすことができる
以上の2つがその理由としてあげられます。
生徒さんが、太陽礼拝で使うポーズをサンスクリット語で理解していないと、見本でやってくれる経験者がいなければ、ポーズ名と呼吸だけではクラスについていけません。そのようなケースは、ポーズ名を一切使わずに教えなくてはなりません。
もう一つが、ポーズ名に頼らずに手足の位置を細かく言うことで、生徒さんを正しいアライメントに基づいて体を動かさせ、怪我せずに指導することができます。
また、先生としてガイダンスを上達させる上でも、細かく言えるようになっておいた方が自分の指導スキルも磨かれるので、自分のティーチングスキルを高めるという理由もありますね。
早速、ポーズ名に頼らずにガイドする方法をマスターしていきましょう。
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【Step5-2】
吸う呼吸 3つの秘密
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ポーズ名を使わずに太陽礼拝を指導するガイドをお伝えしていきましょう。
- マットの前で両足平行、握りこぶし1個半離して立ちましょう
- 吸って 手を下から上に大きく持ち上げて指先まで開いて
- 吐いて 膝を曲げ、腰を後ろに両手指先カップで足の真横について
- 吸って 指先2、3本つけたまま前を見て
- 吐いて 両手、手のひらついて足をできるだけ大きく後ろ、一枚の板の形
- 吸って 前を見て、尾骨を恥骨にすくい入れて腰が浮かないように
- 吐いて 脇を締め、膝をついて腰を浮かせたまま両手の親指の横にバストのトップラインを下ろし、あごを床に
- 吸って 足の甲を寝かせ、両脛を中心に引き寄せながら恥骨が浮かないようにしながら肩を後ろに胸を開いて肘を伸ばし
- 吐いて 足の指先を立てて、手で床を押して腰を高く三角形の山型を作りましょう
- 3呼吸して休む
- 吸って 軽く膝を曲げて両手の間を見て
- 吐いて 両手の間に右足と左足を一歩ずつ、足幅は握りこぶし1個半、両手はカップの形
- 吸って 指先2、3本つけたまま前を見て
- 吐いて 指先カップのまま深くお辞儀、軽く膝を曲げて、両手を腰に前を見て
- 吸って 胸からゆっくりと上体を起こして手を下から上に指先まで開いて
- 吐いて 胸の前で合掌
実際のクラスでは、これ以上にアライメントの原則を付け加えてより細かく指導したり、幾つかを省いてもう少しシンプルに言うこともありあすが、まずはこれを覚えてお経のようにスラスラと無心でも言えるようになりましょう。
この時、気をつけてもらいたいことは次の3点です。
- 呼吸のリズムが一定である。最後までゆっくりと同じリズムで早くならない
- 呼吸のリズムが崩れないように、長いセンテンスでは、ある程度早口で喋るようにする
- 吸って〜吐いて〜の語尾が上がったり、伸びないようにする
現代人は語尾が伸びたり、上がる癖があります。
これを取り除くには、最初の単語にアクセントをつけると良いです。
「吸って」の「す」を強く「って」を弱く、短くするわけです。これは意識しないとできません。
ヨガは意識して気づくことです。
意識して話せばできるようになります。
この意識を日常にまで広げられれば、言葉の癖も含めて多くの癖をなくすことができます。
癖をなくせば本来の自分に出会うことができます。
余談ですが、これこそがまさにヨガの目的を達成することなのです。
さて、この言い方に慣れてきたら
「吸う呼吸 3つの秘密」
の話をお伝えしましょう。
前回のセミナーで「吸う呼吸は吐く準備、動くな!という指示」というお話をしました。
このことについてもう少し細かく見ていきましょう。
「吸って動かさない」方法は3つあります。
- 吸って「キープ」
- 吸って「視線(前を見て)」
- 直前のポーズ名を繰り返し連呼する
いつも吸っての繋ぎが同じではくどいし、癖になってしまいます。癖を作らずに自由に臨機応変に立ち振る舞うことができるようになることが重要なので、太陽礼拝の指導でも3つの繋ぎで言えるようになっておきましょう。
今回の練習ではポーズ名はあえて使わない練習法ですので、ポーズ名の連呼は割愛します。
上記では全て「前を見て」方式で書いてありますので、これを「キープ」で置き換えて言えるようにもなりましょう。具体的には次になります。
- マットの前で両足平行、握りこぶし1個半離して立ちましょう
- 吸って 手を下から上に大きく持ち上げて指先まで開いて
- 吐いて 膝を曲げ、腰を後ろに両手指先カップで足の真横について
- 吸って 指先2、3本つけたまま前を見て
- 吐いて 両手、手のひらついて足をできるだけ大きく後ろ、一枚の板の形
- 吸って キープ
- 吐いて 脇を締め、膝をついて腰を浮かせたまま両手の親指の横にバストのトップラインを下ろし、あごを床に
- 吸って 足の甲を寝かせ、両脛を中心に引き寄せながら恥骨が浮かないようにしながら肩を後ろに胸を開いて肘を伸ばし
- 吐いて 足の指先を立てて、手で床を押して腰を高く三角形の山型を作りましょう
- 3呼吸して休む
- 吸って キープ
- 吐いて 両手の間に右足と左足を一歩ずつ
- 足幅は握りこぶし1個半、両手はカップの形
- 吸って 指先2、3本つけたまま前を見て
- 吐いて 指先カップのまま深くお辞儀
また、上記では2回とも「キープ」で動かない!合図を出していますが、一つを「前を見て」、もう一つを「キープ」して変化をもたえると、なお良いですね。
要はくどくならないようにガイドしたいのです。くどさが癖につながり、癖があると変化に対応できないので悩みに直結します。
ヨガは心の悩みを静めるものです。くどくならないように、同じ言葉遣いはできるだけ避けるようにしてガイドできるようになることを目指しましょう。
私が指導する先生に目指してもらいたいのは、レベルの高い先生です。
日本は、無意識に癖だらけの先生が多過ぎます。
DVDを出しているような講師でも癖だらけで、聞くに絶えない講師が多数いることは残念です。アメリカでは音声ガイドだけのCDも売っているほど発音に意識を向けています。
日本人としての見本は、NHK番組「みんなの体操」「ラジオ体操」のインストラクションです。
是非皆さんには、そういう観点から再度見て頂きたいです。ほとんど癖なくシンプルにガイドしています。
ついでに言うと、「みんなの体操」とヨガには大きな違いがあることに番組を見ていても気づけます。
つまり体操には呼吸との連動がありません。
体操は「手を下から上に大きく持ち上げて」。
一方、ヨガは「吸って手を下から上に大きく持ち上げて」となります。
呼吸が動作を誘導するのです。
いずれにしてもガイドをより美しく、聞いていてうっとりするように、詩の朗読のように行ってもらいたいのです。
私が指導している先生にはより上を目指してもらいたいと思っております。
一流のプロを目指して一緒に学んでいきましょう。
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【Step5-3】
呼吸のコツ ウジャイ呼吸を自分も行うワケ
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指導する上でもう一つ大切なことがあります。
指導上の先生の呼吸です。
生徒さんに呼吸と動作を誘導するわけですが、誘導している先生が呼吸をしていない、呼吸のガイドに集中して呼吸が止まっている、または呼吸が自分のガイドと連動していないケースがあります。
吐いて〜と言ってガイドしているのに先生自身は吸っているとか、吸って〜と指示しているのに先生自身は吐いているなどです。
また、講師自身が呼吸をしていないので、呼吸を言い間違えてしまうなどがあります。
特に吸いながら手を上げるのに、とっさにパニクって吐きながら手を上げるなどと言ってしまうケースがあります。
自分が自分のガイドに合わせて呼吸をしていれば、自然に吸ったり、吐いたりできるのですが、呼吸が止まるとそこでどちらにしようかと思考が働いて混乱して、逆を言う間違いを犯すことが多いのです。
人はあるがままに呼吸をして、思考を取り除けば間違いなく生きることができます。
呼吸を止めて思考を働かすとおかしなことになるのです。
常に呼吸に無心についていけば良いのです。
ただそれだけです。
呼吸を意識すれば良いだけのことです。
先生がガイドをしながら呼吸をする上でのコツが2つあります。
- 生徒も先生もウジャイ呼吸をする
- 呼吸をガイドした後に、自分も同じ呼吸を誇張して行う
ウジャイ呼吸とは「勝利の呼吸」というもので、喉の奥の方を震わせてガス漏れのような音を出す呼吸法です。
ヨガでは通常、先生がなにも言わなければこのウジャイ呼吸でクラスを行います。吸う、吐くの呼吸で音が出るので呼吸を意識しやすくなります。
波の音のように、呼吸に音があればそれを聞いているだけでも癒されるものです。
呼吸に音があるので呼吸を意識しやすく、呼吸について体を動かすことが楽にできます。
このウジャイ呼吸で生徒さんも、ガイドする先生も呼吸をしましょう。
もうひとつのコツが「呼吸のガイドをした後に、自分もその同じ呼吸を誇張して行う」ということです。
例えば、「吸って手を下から上に持ち上げて」と言った後に生徒さんにも聞こえるぐらいの大きなウジャイ呼吸で先生も「吸う」のです。そうすれば、自分が苦しいのでそれ以上は吸えません。つまり必ず次に自然に「吐いて〜」と言えるのです。
同じように
「吐いて深いお辞儀〜」と言った後は、ウジャイ呼吸で自分も生徒さんに聞こえる大きな音で「吐く」 のです。そうすれば必ず次の息継ぎは「吸って〜」と自然にできます。
呼吸をガイドする先生が”教える緊張”のあまり、実は呼吸をしていないという現象が起きます。ウジャイ呼吸をしながら誇張するぐらいに大きな音で自分自身が呼吸をしてください。
ガイドした後に「再度派手に呼吸する」がコツです。
では、本日の学びをまとめてみましょう。
◆――――――――――――――――――――――――――――◆
・ポーズ名に頼らずに手足の位置を細かく言うことで
正しいアライメントに基づいて体を動かすことができる
・癖ができないように吸う呼吸で「キープ」「前を見て」「ポーズ名」など3つの表現で 言えるように練習し、詩の朗読のような美しいガイドでクラスをリードできるようにな ることが大切
・ 呼吸のコツ。ガイドするときは講師自身もウジャイ呼吸を誇張して行う。特にポーズ のガイドをした後に「再度派手に呼吸する」がことがコツ◆――――――――――――――――――――――――――――◆
いかがでしたでしょうか?
すでに太陽礼拝を教えている先生の方も多いかもしれません。
しかし、それを正しく、美しく指導できている方が、
果たしてどのくらいいるでしょうか。
大切なのは、意識してガイドしているか、意識してポーズをとっているかです。
できだけ無駄を省いて効率的に、シンプルにガイドするようにしましょう。
本質と無駄との違いに意識を向けて、その差に気づいていきましょう。
シンプルなガイドは、シンプルで美しい生活に繋がります。
生活から余分なことを取り除いた先に真の自分があるとヨガでは言われています。
マットの上でもシンプルを目指しましょう。
さて、1つ質問です。
これまでの学びの中で、少しでも実際に体を動かして、口に出して練習、実践されたことはありますか?
「読むのが精一杯で、実際に声にだして体を動かし練習する時間が取れません」
という方もいらっしゃるかもしれません。
もしそうした方がいれば、これまでの学びを復習し、実際に行ってみてください。
忘却曲線という言葉をご存じでしょうか?
これは、心理学者のヘルマン・エビングハウスによって導かれた、
中期記憶(長期記憶)の忘却を表す曲線です。
この曲線の意味するところは、
人は学んだことを、1日後には
74%を忘却し、26%を覚えているということです。
せっかく貴重な時間を投資して学んでも、
それを忘れてしまっては、全く無駄な時間になりますよね。
読んだだけで
全て覚えている人は、少ないと思います。
しかし、実際に行動し、声に出して実践された方は、頭の中に
残っているのではないでしょうか。
学びにおいては、予習よりも復習が大切だと言われます。
是非、これまでの学びを実際に役立つ内容にしていくために、
是非とも復習する時間を取ってみてください。
人は、本を読んだだけでは、何も変わりません。
「勉強になったなぁ」
で終わってしまうのがオチでしょう。
リブウェルで学ぶ方には、
そのような結果に終わって欲しくないのです。
成果を出さなければ、プロじゃないと僕は思っています。
このブログをお読みいただいているあなたにも、
僕は同じ想いを持っています。
せっかく読んでいただいているのですから、
「絶対に成果を出して頂きたい!」 のです。
忙しいのは、皆さん同じです。
是非とも、学びを成果に繋げる行動を起こしてくださいね。
さて、次回は、
「様々な言い方で指導できるようになろう」
というお話に移りたいと思います。
今まで勉強してきたことを、癖にならないように常に変化をもって
指導できるようになる手法について、
具体的なノウハウをお伝えしていくつもりです。
では、またお会いしましょう。
リブウェルインスティテュートのwebサイトはこちら
https://www.livewell-institute.com/
<第4回目>太陽礼拝を学んで、教えよう<ポーズ名を使った太陽礼拝の指導方法>
こんにちは。
ヨガ講師育成トレーナー、
リブウェルインスティテュートのKenです。
前回は、
「ハーフ太陽礼拝」
についてお伝えしました。
少し復習をしましょう。
ハーフ太陽礼拝、つまり太陽礼拝の前半部分、立位のパートでした。
体の屈曲、伸展を中心とした動きです。前屈して手を床につける、そこから体、特に腰と首に負担を掛けずに上体を起こして行く際に気をつけることは何でしたか?
そうです、
腰と首のカーブを作りながら屈曲、伸展をすることが重要でした。
つまり、前屈する際は膝を曲げて腰を後ろに突き出して腰のカーブを意識する、逆に起き上がる時も膝を曲げて腰を突き出し、前を見て首にもカーブを作った状態で充分に正しい姿勢を準備してから起き上がることがキーポイントでした。
膝を曲げる時にも注意点がありました。
膝を曲げる時のポイントは、以下です。
腿の内側を後ろに回しながら腿を外側に開き出して、膝が内側に入ることを避ける!
これらの点を押さえて、充分に体の使い方に意識を向けて上下運動をして下さい。
では、本日は、前半の立位のパートに追加して、後半のヴィンヤサと言われる「座位のパート」を付け加えて、太陽礼拝全体についてお伝えしていきます。
では、さっそく
「太陽礼拝を学んで、教えよう」
第4回目の内容です。
◆――――――――――――――――――――――――――――◆
本日の内容
4-1. ヴィンヤサシークエンスとは
4-2. 呼吸は吐くことがメイン、吸う呼吸はサブという原則
4-3. 誰でも簡単に教えられる太陽礼拝指導上のコツはシンプルさ
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【Step4-1】
ヴィンヤサシークエンスとは
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前回は、太陽礼拝の前半部分、立位のパートをお伝えしました。
今回は、後半の座位でポーズを繋ぐパートを具体的に見ていきます。
ヨガではダウンドッグ、下向きの犬のポーズ、サンスクリット語でアドムカシュヴァーナアサナからいくつかのポーズを経由して同じ、アドムカシュヴァーナアサナに戻るこの一連のポーズの流れ=シークエンスをヴィンヤサと呼ぶことがあります。
これは一般的には下記となります。
- アドムカシュヴァーナアサナ
- プランクポーズ(1枚の板のポーズ)
- アシュタンガアサナ(エイトポイント、8点のポーズ)またはチャトランガダンダアサナ(上級者向け)
- ブージャンガアサナ(コブラのポーズ)またはウルドバムカシュヴァーナアサナ(上級者向け)
- アドムカシュヴァーナアサナ
呼吸に合わせると次のようになります。
- アドムカシュヴァーナアサナ
- 吸って プランクポーズ(1枚の板のポーズ)
- 吐いて アシュタンガアサナ(エイトポイント、8点のポーズ)またはチャトランガダンダアサナ(上級者向け)
- 吸って ブージャンガアサナ(コブラのポーズ)またはウルドバムカシュヴァーナアサナ(上級者向け)
- 吐いて アドムカシュヴァーナアサナ
ハーフ太陽礼拝の後に、このヴィンヤサで繋いだものが太陽礼拝というものになります。正式には太陽礼拝にはいくつかの種類があるのでこれを通常「太陽礼拝A」と言うことが多いです。
まとめると、次になります。
- タダアサナ
- ウルドバハスタアーサナ
- ウッターナアサナ
- アルダウッターナアサナ
- プランクポーズ
- エイトポイント
- ブージャンガアサナ
- アドムカシュヴァーナアサナ
- ウッターナアサナ
- アルダウッターナアサナ
- ウッターナアサナ
- ウルドバハスタアサナ
- タダアサナ
これに呼吸を合わせると、次のようになります。
- タダアサナ
- 吸って ウルドバハスタアーサナ
- 吐いて ウッターナアサナ
- 吸って アルダウッターナアサナ
- 吐いて プランクポーズ
- 吸って プランクポーズ
- 吐いて エイトポイント
- 吸って ブージャンガアサナ
- 吐いて アドムカシュヴァーナアサナ
- 3呼吸して休む
- 吸って アドムカシュヴァーナアサナ
- 吐いて ウッターナアサナ
- 吸って アルダウッターナアサナ
- 吐いて ウッターナアサナ
- 吸って ウルドバハスタアサナ
- 吐いて タダアサナ
ハーフ太陽礼拝も、フルの太陽礼拝も、一呼吸一動作で動くスタイルのヨガです。これもまたヴィンヤサと言いますが(ヴィンヤサには色々な意味合いがあります)、太陽礼拝はヴィンヤサの代表的なシークエンスなのです。
では次に、
この太陽礼拝を上記のように呼吸に合わせる際、注意したい点について見ていきます。
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【Step4-2】
呼吸は吐くことがメイン、吸う呼吸はサブという原則
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ここで、ヨガにおける呼吸についてお伝えしましょう。
人は生まれた時に「おぎゃー」と吐いて生まれて、臨終時に息を引き取ると言われています。つまり息を「吐く」ということが「生きる」ということの証です。吐けていれば生きていけるのです。
事実、力を入れる時に吐きますよね。何かを押す時、力を入れますが、その時は必ず吐きながら行っているはずです。
ヨガでも、メインのポーズをとる時・ジャンプする時・屈曲する時・ツイストする時、必ず力を入れるので吐きながら行います。
では、吸う呼吸は何をするのでしょうか。
吸うは「吐く準備」です。伸展する時は吸いながら伸びますが、それ以外は「吸って準備」、つまり「動かない」ということです。吸って一呼吸して「吐いてアクション!」が基本になります。
逆に言うと、動く時は原則、吐いているし、止まっている時は吸っています。
太陽礼拝も、この約束に沿って体を動かせば良いだけなのです。
つまり
「吸って準備、吐いてアクション!」
です。
理屈がわかれば体の動かし方、呼吸と共に動作を指導する方法はさほど難しいものではありません。しかし、頭でわかっていても実際は上手くいかないというのが実情。あとはこれを口に出して慣れるしかありませんね。是非、頭で考えなくても体が慣れて動けるまで練習していきましょう!
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【Step4-3】
誰でも簡単に教えられる太陽礼拝指導上のコツはシンプルさ
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これまで太陽礼拝の流れについてお伝えさせていただきました。
ハーフ太陽礼拝のパートの屈曲、伸展での首と腰のカーブを意識させる指導の重要性はこれまで見てきたので大丈夫だと思います。
あとはこの太陽礼拝をどのように指導するかです。
太陽礼拝の指導で最も大切なことは
一呼吸一動作。
「呼吸の一定のリズムに合わせて体を動かす」ことです。
つまり、「同じリズムで体を動かす」ということです。
「吸って~、吐いて~」という呼吸の一定のリズムに合わせて体も同じリズムで動かせるかということ。
よくある3つのミスは、
- 一呼吸はだいたい5秒で吸って、同じ5秒で吐きます。その呼吸のリズムに合わせてヨガはゆっくりと行うものですが、呼吸がそれぞれ短くあわただしいものになってしまう
- 最初はゆっくりだったが最後の方になると早くなっている
- 吸う呼吸が短く、ポーズをとる前にしっかりとポーズへの準備ができずにポーズでつまずく、転ぶ、腰に負担を掛ける
以上のことがないように自分自身も指導する際は呼吸をしながらとにかくゆっくりと呼吸を意識して指導すると良いです。
心の中でメトロノームを鳴らしながら、一定のリズムで指導するようにしましょう。
特に太陽礼拝で初心者の先生が失敗する下手な指導の例としては
「必要ないことを色々言うこと」です。
呼吸に合わせる以上、それほど情報を生徒さんに伝えることはできません。
逆にいえば
呼吸とポーズ名をゆっくりと正確に言うだけで充分なのです。
太陽礼拝は基本的なシークエンスですので、クラスでの指導であれば経験者にクラスの前方で模範的にポーズをとってもらいましょう。ですので、先生は余計なことを言わずにメトロノームのように一定のリズムでクラスをリードできればそれで良いのです。
ヨガ講師は、クラスではオーケストラの指揮者のようなもの。
自分が上手く楽器が弾ける必要はありません。リードしてくれるのはオーケストラで言えば第一バイオリン奏者です。
指揮者たるヨガの先生は余計なことを奏でず、一定のリズムで指揮棒を振ってもらいたいのです。
つまり、ただ呼吸とポーズ名を正確に言うことから始めましょう。
動かない時は「吸ってポーズ名」で動かないでしっかり次に準備するように合図を送りましょう。
「吸ってポーズ名」を短く言ってしまいリズムを崩す初心者先生が沢山います。
余計なことを言えば、言葉が多すぎて呼吸内の長さで言えず、呼吸の長さが伸びてしまい、一定の呼吸が保持できません。
まずは次のように無駄を省いて、シンプルに同じリズムでゆっくりとガイドする練習をしましょう。
無駄を省くこと、効率を高めることがヨガの目的でもあります。
最低限度の言葉で太陽礼拝を指導できるようになりましょう。
余計な指導よりも綺麗なリズム、発音の方が参加者の生徒さんも心地良くクラスに参加できます。まずは下記のようにただシンプルにガイドするようにしましょう。
言い過ぎないことが良い先生になるための秘訣です。
ヨガの優れた先生の共通点があります。
優れた先生であればあるほど、余計な言葉をほとんど使いません。厳選された効果的な言葉だけでクラスを運営しています。
仮に、なにか言いたくなったら静寂「間」を取りましょう。
とにかくシンプルにガイドすることが肝要です。
もう一度、呼吸とポーズ名だけのガイドを書きます。
とにかく、これを使ってゆっくり呼吸と共に指導できるように慣れて下さい。
- タダアサナ
- 吸って ウルドバハスタアーサナ
- 吐いて ウッターナアサナ
- 吸って アルダウッターナアサナ
- 吐いて プランクポーズ
- 吸って プランクポーズ
- 吐いて エイトポイント
- 吸って ブージャンガアサナ
- 吐いて アドムカシュヴァーナアサナ
- 3呼吸して休む
- 吸って アドムカシュヴァーナアサナ
- 吐いて ウッターナアサナ
- 吸って アルダウッターナアサナ
- 吐いて ウッターナアサナ
- 吸って ウルドバハスタアサナ
- 吐いて タダアサナ
では、本日の学びをまとめてみましょう。
◆――――――――――――――――――――――――――――◆
・座位はヴィンヤサシークエンスで繋ぐ
・呼吸は吐くことがメイン、吸う呼吸はサブ。動かない時は「吸う」呼吸で繋ぐ
・優れた講師ほど無駄なガイドはしない。まずは呼吸とポーズ名だけでシンプルに指導しよう
◆――――――――――――――――――――――――――――◆
いかがでしたか?
すでに太陽礼拝を教えている先生の方も多いかもしれません。
しかし、それを正しく、美しく指導できている方が、
果たしてどのくらいいるでしょうか。
大切なのは意識してガイドしているか、意識してポーズをとっているかです。
できだけ無駄を省いて効率的に、シンプルにガイドするようにしましょう。
本質と無駄との違いに意識を向けて、その差に気づいていきましょう。
シンプルなガイドはシンプルで美しい生活に繋がります。
生活から余分なことを取り除いた先に真の自分があるとヨガでは言われています。
マットの上でもシンプルを目指しましょう。
では、また次回、お会いしましょう。
リブウェルインスティテュートのwebサイトはこちら
https://www.livewell-institute.com/
<第3回目>太陽礼拝を学んで、教えよう<ハーフ太陽礼拝とは>
ヨガ講師育成トレーナー
リブウェルインスティテュートのKenです。
前回は、
「太陽礼拝での手の上げ方」
についてお伝えさせていただきました。
少し復習してみましょう。
手の上げ下げ、体の拡張、収縮での呼吸法を学びました。
吸って伸びて、吐いて小さくなるでしたね。
また、手の上げ方には3種類がありました。
- 1、 前に上げて下げる
- 2、 横から上げて前から胸の前に降ろしてくる
- 3、 横から上げて再度外にまわして降ろす。つまり2回まわす
これは隣の生徒さんとの距離が充分にあるか、生徒さんのフィットネスレベルに応じて先生の意志で選択するものでした。
さらにもうひとつ大切なことを学びました。癖なくガイドするということ。
- 1、 語尾を伸ばさない、語尾を上げない
- 2、 ~しましょう。を使う
- 3、 同じ言葉を繰り返さない
以上が手の上げ下げで学んだことでした。
単純な動きだからこそ、この機会に言葉を使った指導の基礎を
しっかりと身につけて行きましょう。
もしも、
「あれ?どういうことでしたっけ???」
と感じた方は、前回の内容を
復習しておいてくださいね。
さて、いよいよ体の屈曲を含むハーフ太陽礼拝の指導に入っていきます。
「太陽礼拝を学んで、教えよう」
第三回目の内容です。
◆――――――――――――――――――――――――――――◆
本日の内容:ハーフ太陽礼拝とは
3-1. 呼吸が先、動作が後
3-2. これを知らないと怪我をする屈曲、伸展の3つのポイント BOWの原則
3-3. 備えあれば、憂いなしの原則
◆――――――――――――――――――――――――――――◆
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【Step3-1】
呼吸が先、動作が後
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まずはハーフ太陽礼拝のガイドを紹介しますので、自分で言いながら行ってみましょう。
ハーフ太陽礼拝
吸って両手を上にウルドヴァハスタアーサナ
吐いてウッターナアーサナ 軽く膝を曲げて腿の付け根(そけい部)を後ろに引いて
両手を指先カップで足の横の床に
吸って前を見てアルダウッターナアーサナ
吐いて深くお辞儀ウッターナアーサナ
両手を腰に前を見て、腰と首のカーブを作りながら
吸って手を下から上に持ち上げて
吐いて胸の前で合掌 タダーサナ
これまで、ヨガでは呼吸が
重要であるとお伝えしてきました。
ヨガでは呼吸と繋がることが気分を良くし、心と体の健康を導くものと考えられています。
哲学的には呼吸は宇宙、言い換えると大いなるものと自分が一つであると
気づくことがヨガの目的であり、それに常に気づければ永遠の至福を手に入れることができると言われています。
呼吸をコントロールするのではなく、呼吸について行くことが大切なのです。
ですから常に呼吸が私たちの動きをリードするようにしてヨガのポーズをとり、指導するようにしましょう。
つまり大切なことは
呼吸→動作 であって
動作→呼吸 ではない
ということです。
吸って~ 吐いて~
とガイドしましょう。
「吸って両手を持ち上げて、吐いて両手を降ろして手を床に」これが正解。
間違いは、
「両手を持ち上げて息を吸って、手を床に降ろして息を吐く」です。
さらにこの時に忘れてはいけないのは、吸ってー、吐いてーと語尾が伸びたり、語尾が強くならないことです
宇宙と同化すると幸せになります。宇宙は美しいですよね。
宇宙のように綺麗に、美しく発音してくださいね。
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【Step3-2】
これを知らないと怪我をする屈曲、伸展の3つのポイント BOWの原則
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前回は手を呼吸に合わせて上下させるという勉強をしました。
今回と前回で大きく違う点は体を上下に動かす、つまり床に手をついてお辞儀をしていくということです。深い前屈のウッターナアーサナというポーズが入ることが前回からの進化です。この前屈を解剖学の言葉では屈曲と言い、そこから伸びて来ることを伸展と言います。体幹の屈曲とそこから起き上がり伸びて行く伸展において体の使い方で重要な点がいくつかあります。
今回は
特に重要な3つのポイントをお伝えしておきます。
それは、この3つです。
(1)腰と首のカーブを作る
(2)膝を曲げる
(3)膝が内側に入らないようにする
具体的に見ていきましょう。
(1)腰と首のカーブを作る
人間の脊椎はしなる弓形の形になっています。この姿勢を保てば健康、ここからずれて体を動かせば怪我をする可能性があるということです。これを「BOWの法則」と言います。BOWは英語で意味は弓です。弓のようなS字のカーブを人間の背骨は形成していてその状態で血行が良く、合せて内臓等の機能を上手く働くようになっているのです。この姿勢を崩すことが頚椎のヘルニアや頭痛、腰痛に繋がっているわけです。
腰と首に関しては前側に反れています。これを前彎と言います。腰は突き出して所謂出尻になることが大切。頭も下を向くことなく自然に若干の上向きのカーブができていることが大切なのです。
前屈する際は腰をつき出して腰のカーブを作る。
前屈する際は最後の最後まで下を見ないで首にもカーブを作り続ける。
この2つが大切なのです。
逆に前屈から起き上がる時も、
腰を反らせて、前を見て、この2つのカーブを保持したまま起き上がる!
これが健康的に伸展する時に重要になります。
下を見たまま、腰を丸めたままお辞儀をしたり起き上がったりを繰り返しているとヨガで健康になるどころか怪我をしてしまうのです。
体に良いと思われているものも、正確に使用しないと害になります。
薬も正しく服用しないと毒になりますよね。
何も考えないでただ動かすということは避けましょう。正しい体の使い方を意識して屈曲、伸展を行いましょう。
- (2) 膝を曲げる
腰を反らせる時に気をつけてもらいたいことがあります。それは充分に膝を曲げることです。やってみればわかりますが、膝を伸ばしたままでは腰を反らせません(新体操などの経験者で体が柔らかい人は別ですが、一般のヨガ初心者は膝を伸ばすと背中が猫背になってしまいます)。
腿の裏側のハムストリングの硬さが邪魔して、腰が反らせないのです。
これを回避するためには膝を曲げることが有効です。
膝を曲げるとハムストリングの影響を受けないので腰を反らせることができます。充分に膝を曲げて腰のカーブを作りながら前屈、および伸展して起きて行きましょう。
(3)膝が内側に入らないようにする
腰のカーブを作るために膝を曲げるわけですが、膝を曲げる際にも注意点があります。
女性は特にですが膝を曲げると内側に膝が入りやすい傾向があります。
膝が内側に入って曲げると膝を痛めてしまいます。
これを避けるためには、
腿の内側を後ろに回しながら腿を外側に開き出して膝が内側に入ることを避ける!
必要があります。
体の動きは繋がっています。
一つの行動をするとそれに連動して色々な問題が生まれる可能性があります。
膝が内側に入らないように気をつけ、
膝を曲げて
腰を反らせる
この3ステップが重要なのです。
細かいことですが、ひとつひとつの動きに意識を向けて気づきながら体を動かすことが健康的に体を使う時に大切なことをしっかりと理解してくださいね。
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【Step3-3】
備えあれば、憂いなしの原則
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呼吸と共に動く! 呼吸が動きを誘導する
これがヨガの原則です。
したがって
- (1) 呼吸の前に形の準備をしておく
吸ったら直ぐに動く
吐いたら直ぐに動く
のです。
つまり、「吸って」や「吐いて」の前に次の動作の準備をしておかないと動きが間に合わないという現象が起こります。
例えば
両手を腰に前を見て、腰と首のカーブを作りながら
吸って手を下から上に持ち上げて
というように手を上げる前に
両手を腰に前を見て、腰と首のカーブを作っておく必要があるわけです。そうすれば吸う呼吸と共に両手を気持ちよく上げることができます。
準備が充分にできていないと
吸って両手を腰に前を見て、腰と首のカーブを作り
となるので
次が
吐きながら手を上げる!
というように呼吸が逆になってしまうのです。
- (2) 呼吸したらポーズ名を早めに伝え、その呼吸の中で次のポーズの明細を説く
呼吸したら何のポーズなのか直ぐに号令を掛けるようにしましょう。経験者の生徒さんにとってはあれこれ言われるよりも結果のポーズ名を告げてもらった方が理解が早まります。
例えば次にように。
正解は:
吐いてウッターナアーサナ 軽く膝を曲げて腿の付け根(そけい部)を後ろに引いて
両手を指先カップで足の横の床に
間違いは:
吐いて軽く膝を曲げて腿の付け根(そけい部)を後ろに引いて
両手を指先カップで足の横の床に ウッターナアーサナ
ポーズ名の後に説明を付け加えた方が結果が明確に理解できているので経験者にはわかりやすいガイドとなります。
このように呼吸の前にはポーズに関する説明等は終わらせておくと呼吸に合わせてポーズを行うことができます。
つまり、備えあれば憂いなし!ということなのです。
では、本日の学びをまとめてみましょう。
◆――――――――――――――――――――――――――――◆
・呼吸が先、動作が後
・起き上がる、前屈する前に腰と首のカーブを作る
・前屈する際は充分に膝を曲げる
・膝を曲げる時は膝が内側に入らないようにする
・備えあれば、憂いなし。呼吸の前には動きの準備または前のポーズの説明を終えておく
◆――――――――――――――――――――――――――――◆
いかがでしたでしょうか?
少しずつヨガの動き、動かし方に慣れて来たでしょうか。簡単に何気なくやって来たことを意識して動かすとそれこそがヨガとなります。
慣れないと大変かもしれませんが気づく意識をもって体を動かすことがヨガですのでこれからも繊細に意識しながら学びを深めて行きましょう!
次回は、
いよいよ本題
「第4回:ポーズ名を使った太陽礼拝の指導方法」
というお話に移りたいと思います。
では、次回また、お会いしましょう。
リブウェルインスティテュートのwebサイトはこちら
<第2回目>太陽礼拝を学び、教えてみる<手の使い方3パターン>
ヨガ講師育成トレーナー、
リブウェルインスティテュートのKenです。
前回のメールセミナーの中で、
太陽礼拝Aの流れとポーズの名前をお伝えいたしました。
ヨガの先生の中では既に教えているにも関わらず、残念ながら
ヨガの共通言語サンスクリット語で太陽礼拝を指導できない先生も沢山おられます。どこの国でも指導できるように、またヨガの伝統を守る上でもサンスクリット語でポーズ名を覚えて指導できるようになってもらいたいと思っております。
英語でもサンスクリット語でも指導できる一流のプロの先生として成長して頂きたいと思っております。
▼まだ動画を見ていない方は、必ず確認してください
>>https://vimeo.com/livewellworld/review/284500341/b0caff913e
さて、本日からは、この太陽礼拝を順番に分解して細かく見て行きましょう。
太陽礼拝ではヨガ指導上の大切なコンセプトが2つあります。
(1)Placement 手足の位置を正確に誘導できる
(2)Breathment 一呼吸一動作で誘導できる
この中で今日は、Breathment呼吸を使った誘導について
詳しく見ていきましょう。
それでは、さっそく
「太陽礼拝を学び、教えてみる7つのステップ」
第二回目のセミナー内容です。
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本日の内容
2-1. 呼吸に合わせて腕をまわそう
2-2. 腕をまわす3つの方法
2-3. 言い方の癖を無くそう
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【Step2-1】
呼吸に合わせて腕をまわそう
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呼吸に合わせて体を動かす上でキーになるポイントは
「吸って拡張、吐いて収縮」
です。
特に考えなくても自然に行ってみればわかることですが、深呼吸したり、
伸びをする時に人は吸いますよね。拡張するとき、手を伸ばす時は息を吸うのです。
一方、体を屈める、小さくなるときは「ふー」と自然に吐きます。
逆に呼吸は自然に身を任せればそれほど難しいものではありません。
変に考えてしまうと思考が邪魔して間違ってしまうのです。
無心で体を動かせば実は簡単に指導できます。自分が自然に身を任せて呼吸しながら指導すれば実はヨガの指導は簡単なのです。
吸いながら手を持ち上げて、吐きながら手を降ろす
これが基本です。
あまりに簡単なのですが、いざ教える!となると緊張し、結構混乱して間違うことがあることも事実。
ここできちんと基本を確認しておきましょう!
私も初心者の先生のころは迷って、ビデオやラジオ体操などを見て確認していましたので(笑)。
最初のうちは誰でもが当たり前のことに迷うものです。
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【Step2-2】
腕をまわす3つの方法
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「吸いながら手を上げて、吐きながら降ろす」が明確になった後は、
どのように上げて下すかということを考えて行きます。
これもまたまた当たり前のようですが、はじめてヨガを教えだしたころに、教えだしてはじめて迷いました。つまり、
手は前に出すのか、横にまわすのか?
手のひらは後ろに向けるのか、前か?それとも横なのか?
実は今まで無意識に先生の真似をして行っていたし、先生もそこまで丁寧に教えてくれてませんでしたので迷いが生まれました。
同じ先生でも日によって違っていたし、先生によっても色々でしたからどれが正解なのか、どのように教えればよいのか自信がありませんでした。
とにかく最初に教えるということは不安の連続だし、全く自信がないのでどうしたらよいのかわからない!というのが実際です。
今更こんな簡単で、当たり前のことを聞けないし。。。。
アヌサラヨガを学んでいた時代にその創始者ジョンフレンド先生にこのことを大胆にも質問したことがあります。その時に先生は「何に意識を向けるかで変わってくるよ」と教えてくれました。
そうなんです。ある意味では全てが正解で、何をしたいのかによって変わって来ることを学びました。
では手をまわすという基本的な動きにおいてどういうことが考えられるのでしょうか。
以下の3つがあります。
(1)手を前に上げて、前から降ろす
(2)手を横に回し上げてそのまま胸の前に降ろして合掌
(3)手を横から回し上げて、もう一度外に回して合掌(2回まわす)
(1) の手を前に上げる場合はどういう場合でしょうか。よく考えればわかるのですが
答えは隣の人と手がぶつかる時です。日本ではだいたいスタジオが狭いので多くの生徒さんが参加されるとマットをほぼくっ付けて横の余裕がありません。
横に手をまわすとぶつかってしまいます。横にまわした方が運動量は多いのですがお互いにぶつかってしまうので仕方なしに前に手を上げて前から降ろすわけです。
これはスタジオの空間的な限界から来ています。
(2) と(3)はほぼ同じです。お隣とぶつからないゆとりがあれば是非とも横に大きく
回して肩を解したいです。(3)では外に回して、外に再度回して手を戻しますので(2)の1回まわしに比べれば運動量が2倍です。パワフルなパワーヨガ等ではこれを勧めますが一方で初心者向けのクラスやシニアヨガなどでは体力的にきつくなるかもしれません。
参加されている生徒さんのフィットネスレベルに応じて1回まわすか、2回まわすかを判断されると良いと思います。
如何でしょうか。
ただ手を上げて下げるだけでも先生の意図によっていろいろな方法があることがおわかり頂けたと思います。何が正解というよりも何を意図しているかが大切なのです。
意図によっては全てが正解になることを知っておきましょう。
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【Step2-3】
言い方の癖を無くそう
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体の動かし方が理解できたので、いよいよこれを口に出して指導して
行きましょう。
指導する上で大切なことが3つあります。
(1)語尾を伸ばさない、語尾を上げない
(2)~しましょう。を使う
(3)同じ言葉を繰り返さない
ヨガは癖を取り除いて本来の自分を見出す練習です。したがって先生の発言に癖があることは厳禁です。生徒さんの癖を取り除いて真の自己に気づいてもらおうというお手伝いをするのがヨガの先生なのに、先生の発音が癖だらけでは本末転倒です。
最近の方は語尾が長い、語尾が強いという癖があります。
吸って~、吐いて~とならないようにしましょう。最初の音にアクセントをつけるとこの癖を取り除くことができますよ。
ヨガでは全てが一つだと気づくことが大切という教えがあります。
これをOnenessなどともいいますが、私たちは皆同じと気づくことが幸せを得る秘訣という考えです。
したがって「~して下さい。」と人にお願いすることは自分と生徒さんとの間に距離を作ることになります。
また、「~します。」は1人称なので同じく他人行儀ですよね。
英語のLet‘s、Weを主語にしましょう。
つまり、「~しましょう。」を基本にしてガイドするようにしましょう。
そして、もうひとつ指導する際に気をつけてもらいたことがあります。
それは同じ言葉を繰り返さないということです。
特に簡単な手を上げる、降ろすなどでは次にように言いがちです。
「吸って手を持ち上げて合掌、吐きながら手を降ろして胸の前で合掌。もう一度、手を上げて合掌、吐きながら胸の前で合掌。」
もう気づかれたと思いますが、「合掌」がくどいですよね。
これでは「合掌先生」とあだ名がつきます。
言葉が癖にならないように言い方を変えるようにしましょう。
合掌を、「手を合わせる」「タダアサナ」「サマスティティヒ」「アンジャリムドラ」などのポーズ名で言い換えるなど、可能な範囲で色々な言い方で言ってみましょう。
昔、学校で作文を書く時に先生から、できるだけ同じことでも表現を換えて書くようにと言われませんでしたか。優れた作家も表現力が豊富です。
美しい表現でクラスをガイドすることが生徒さんの気持ちを楽にする助けにもなります。
可能な範囲で同じ表現が繰り返されることを避けるようにしましょう。
以上、3つのポイントについて
お伝えさせていただきました。
如何でしょうか、できそうですか?
なお、ガイドにはこれ以上というものはありません。お勧めはスマホ等で録音して聞いてみることです。
詩の朗読のように聞いていてうっとりすれば生徒さんを魅了することができます。
常に練って改善を考え、より美しいガイドにしていきましょう。
この点を忘れずに、指導ガイドを磨きあげていってくださいね。
簡単なポーズでこそ、しっかりと口癖なくガイドできるようになりましょう。
ここできちんとガイドができると後が楽です。
この後はどんどん言うことが増えてくるので口癖は無意識に出て来るので管理仕切れなくなります。
簡単なポーズのガイドこそ、口癖を意識して話すようにしましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
少し長くなってきましたので、
本日の学びをまとめてみましょう。
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・拡張する時は吸う、収縮するときは吐くが呼吸の原則。
・手のまわし方は先生の意図によって複数あり、どれが正解というわけではない。
・先生に口癖があっては生徒さんの癖を直せません。ヨガは癖を取り除く人生修業です。まずは先生の癖が出ないように、美しい日本語で語るようにしましょう。
◆――――――――――――――――――――――――――――◆
本日のメールセミナーはいかがでしたか?
2日目で少し難しく感じられた方もいるかもしれません。
ヨガの先生で語り方など細かく意識している先生にほとんど会ったことがありません。毎日のように講師採用のオーディションを開催していますが、本校以外の養成スクールを卒業された方で合格された方はおられません。
全ての方が口癖だらけでした。きっとそれを直そうという先生がおられないのでしょうね。
スクールよっては外国人の方が教えていますから日本語の癖が直せないことも理解できますが。。。
ヨガはただ生徒さんを教えられれば良いというものではありません。
気づく意識をもってマインドフルに繊細に行動する科学です。
芸術のようにふるまうことです。
日本人はそもそもそのことが得意な人種なはずですが、最近は意識が薄れて話し言葉が乱れています。
美しいポーズは美しい心と、言葉から生まれると思っています。
細かいことですが気がつく意識をもって話して頂きたいと痛感しています。
さて、次回、第三回目のメールセミナーでは、
「ハーフ太陽礼拝」という前屈のポーズを交えたシークエンスへ移って行きます。
では、次回また、お会いしましょう。
Ken
リブウェルインスティテュートのwebサイトはこちら
https://www.livewell-institute.com/
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<第1回目>ヨガの太陽礼拝を学び、教えてみる!
こんにちは。
ヨガ講師育成トレーナーのケンです。
これから7日間にわたってヨガの基本である太陽礼拝の正しいやり方、指導方法を皆さんにレクチャーしていきます。
是非全ての回をチェックして太陽礼拝をマスターしてください!
<講座概要>
第1回:太陽礼拝。言葉を覚えよう
第2回:手の使い方3パターン
第3回:ハーフ太陽礼拝とは
第4回:ポーズ名を使った太陽礼拝の指導方法
第5回:ポーズ名を使わずに教えてみよう
第6回:様々な言い方で指導できるようになろう
第7回:指導の際の注意点
まずは第1回 "太陽礼拝とは" を動画でチェックしましょう!
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ヨガの基本となる太陽礼拝は知っているとタメになる情報が詰まっています。
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では早速、その[太陽礼拝A]を動画にてご覧ください。
https://vimeo.com/livewellworld/review/284500341/b0caff913e
太陽礼拝Aと言われるこのシークエンスは、幾つかのポーズの流れでできています。
まずは、このシークエンスを構成するポーズ名をサンスクリット語で覚えましょう。
1、手をあげるポーズ:ウルドバハスタアーサナ
2、手を床でお辞儀:ウッターナアーサナ
3、そこから前を見る:アルダウッターナアーサナ
4、一枚の板:プランクポーズ
5、4点支えのポーズ:チャトランガダンダアサナ
6、コブラ:ブージャンガアサナ
7、下向きの犬のポーズ:アドムカシュヴァーナアサナ
8、山のポーズ:タダアサナ
ヨガのポーズを行っている時にサンスクリット語で言えない先生もいます。
ヨガはインドのもの。
サンスクリット語が世界中でヨガを行う際の共有言語です。
まずはひとつひとつのポーズ名を口に出してしっかりと覚えて下さい。
そしてその順番を体を動かしながら覚えて行きましょう。
また呪文のように体を動かさないでもスラスラと言えるようになりましょう。
口が自然に動くようになるようになるまで、何回も言うことが第1です。
通勤通学、歩きながら、お風呂の中でも慣れるまでいい続けましょう!
次回からはこの太陽礼拝を分解して詳しく見ていきましょう。
"手の使い方3パターン" をお送りします。
お楽しみに。
Ken